王子様たちのひまつぶしっ!?
「ん。僕も初めてだから分かんないんだけど。これも伝統みたいだよ?」


ふーん。なんだろ?


「早くいかないと遅刻するよ」


今まで黙ってうつ向いていた海斗が、小さく口を開いた。


時計を見ると、授業が始まるまであと三分。


私たちは急いで教室から出ようとした。


「ー…宮崎さん」


ふいに後ろから呼び止められ、私は顔だけをそちらに傾けた。


そこにいたのは、クラスでも大人しめの城ヶ崎(じょうがさき)さんだった。


城ヶ崎さんは何か言いたげな顔をして、私を見つめる。


「えと、城ヶ崎さんだよね?どうしたの?」


 
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