王子様たちのひまつぶしっ!?
どれぐらいはしったんだろう?


ふと城ヶ崎さんが足を止めた。


そこは崖の場所。


絶壁というだけあって、急斜面になっている。


落ちないようにするには細い道になっているところを通らなくてはいけない。


「城ヶ崎さん、大丈夫??」


城ヶ崎さんは地面に座り込んで息を整えている。


そしてやがて立ち上がると、私をじっと見つめる。


悲しそうな顔で。


そして、うつむいてか細い声で何か呟く。


「ー…なさぃ」


「城ヶ崎さん?」


「ごめんなさいっっ」


「えー…?」


どんっという音と共に、私の体は真後ろに倒れていく。


そして、あるのは手のひらとお尻に感じる湿った地面の土の感触。


私の目の前にはさっきの景色とは違う、高い高い絶壁の壁。


そして、真上には恐怖にひきつったような顔で私を見下ろしている城ヶ崎さんがいる。

状況を理解するのに数秒かかった。


そしてわかった。


突き落とされたんだー…
    
< 176 / 283 >

この作品をシェア

pagetop