王子様たちのひまつぶしっ!?
「ー…うんっ!うんっ」


城ヶ崎さんは涙を振りきるように力強く頷いて、走り出した。





ー…てかどうしよう?


あんなこと言っちゃったけど、実際は落ちたときに足をひねったみたいで、動かなくてもかなり痛い。


靴下を脱いで見てみると、やっぱり足首が真っ赤に腫れていた。


「はぁー。助け待つしかないかなぁ」


そんなことをぼやいてみる。


そうだ。どうせ一人なら、普段言えないことも叫んじゃえ。


んー。やっぱ思い浮かぶのはあの五人。


てか思い返せばだよ?


冷静に考えてみたら、私のファーストキスって海斗なんだよね。


無理やりだったけど、キスはキス。


海斗に聞かれたときはかつい意地はって“キスぐらいしたことある”なんて言っちゃったけど。


「海斗のばかやろーーー!!!初キス返せー!変態キス魔ーーー!」


ふぅ。おもいっきり叫んだらすっきりしたぁ。


私は目にかかった汗を服の袖でぬぐった。


「ねぇ。誰がキス魔なの?」


真上から今最も聞きたくない声No.1の声が降ってきた。
< 179 / 283 >

この作品をシェア

pagetop