王子様たちのひまつぶしっ!?
俺が次の言葉を言おうと口を開いた瞬間、教室の扉が開いた。

「あれ?宮崎さん?俊?早いね」

「あっおはよう。陸君」

入ってきたのは部活終わりで汗だくの陸だった。

ああ、もう7:20か。

そろそろ部活も終わってみんなが教室に来る頃だ。

葵ちゃんはふっと俺の前を横切り陸のところへ走って行った。

一瞬ー…ほんの一瞬だけ、思ってしまった。

さっき、俺が葵ちゃんに言おうとしていたこと。

“じゃあ君は、俺のことを見てくれる?”

なんて。

“俺”を見るなんて有り得ないのにな。

親戚も、女の子たちも、両親でさえ。

見てるのはいつも…

“兄貴たち”だー…。
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