王子様たちのひまつぶしっ!?
初めて会った海斗に、いきなりキスされた場所ー…


蘭は私の手をゆっくりと解くと、音楽室の扉の取っ手に手をかけて、ピタリと動きを止めた。


「らんっ…」


「…どうして泣いてたの?」


蘭が鋭い瞳でまっすぐに私を見つめる。


「!?べ、別に…泣いてないしっ」


ふいっと私は視線をそらした。


「…葵はあいつのことが好き?」


ぽつりと蘭が呟いた。


「な、何で?関係ないじゃん…っ蘭にはっ」


そうだよ。関係ないじゃん。


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