王子様たちのひまつぶしっ!?
「ううん、で。直接話たいことって?」


小春ちゃんは言いにくそうに長いまつげを伏せると錆びかけたブランコの鎖に手をかけて、ちょこんと腰をおろした。


そして重々しく口を開いた。


「あ、あの。あのっ」


「?」


「…ごめんなさい。こんな遅くに呼び出して…。」


いつもよりも弱々しい声の小春ちゃんに違和感を覚えつつ、私も近くにあったブランコに腰をおろす。


きぃ…ときしんだ音がして、嫌な予感がした。


手のひらをみてみると、やっぱりアカサビが手についていた。


    
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