王子様たちのひまつぶしっ!?
焦る私に、天王寺海斗の容赦ない一言。


「早く」


まっすぐに私を見つめる天王寺海斗の瞳からは、まるで私を試しているような…、そんな感情が読み取れた。


ふいに震えてくる足。


どうしよう…?


私は胸元のホックを外して、もう一度ちらりと周りを見回した。


…本当に誰も止めてくれないよ。


ていうか、この状況についていけてないってのが正解か…。


キョロキョロと周りを見渡してる私に、天王寺海斗が冷たいー…


ばかにしたようにふっと笑って、口を開いた。


「何?やっぱ、勇気なくなった?」


「最初は威勢よかったのにね。期待はずれ。」


何よー…


「面白いおもちゃができたと思ったのに」


何なのよ?何でー…


「やっぱ、庶民は庶民って感じかな。育ちが悪いと。今からでも一般高校に言ったらー…?」


カチンッ


あったまきたっっ!


「脱いでやるわよっこんなものっっ!」


私はバサッと制服を脱ぎ捨てた。


「大体ね!何様よっあんた!黙って聞いてれば、好き勝手言ってっ」


「金持ちがそんなに偉いの?偉いのはあんたの親なのよっあんたじゃないの!分かる!?私のことはね、なんて言ってもいいけど、次育ちが悪いとか家族をばかにしたこと言ったら、殴り飛ばすからねっっ!」    
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