王子様たちのひまつぶしっ!?
「ただの元カレじゃないでしょう?」


小春ちゃんはきっぱりと断言するように言った。


まるで、何か確信でもあるかのように。


「ただの元カレじゃないって?」


妙に意味深な小春ちゃんの言葉に、今まで黙っていた陸君が、小春ちゃんに問い詰める。


小春ちゃんはゆっくりと口を開いた。


「本当はー…何かあったんでしょう?例えばー…」


小春ちゃんがそこで言葉を止めた。


私の頬を冷や汗が伝う。


聞きたくないー…


直感的にそう思った。


小春ちゃんの口調ぶりからして、きっと私と蘭の過去のことも知られているのだろう。


嫌だ。せっかく忘れかけていたのに。
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