もう一度…
衝撃
それから一ヶ月が過ぎようとした頃 これまでにない衝撃を受けることになった。 俺は帰るところがなく夜道をフラフラしていた。 すると 聞いたことのある声が住宅街にある もの静かな公園から聞こえてくる。 「貴方みたいな男 好きじゃないの!」 間違いないあのコの声だ。 俺は公園を通り過ぎようとしたとき、あのコの前に立っている男が目についた。 その男は二十四歳の癖の悪いことで知られていた。 欲しいモンは力ずくでも得るような奴だった。 俺は気になって近づいていった。 「キラッ」 薄暗い中で光を燈す街灯の明かりが何かに反射した。 ナイフだ! 俺は考え間もなく、身体が結衣の前にあった。 右腕に結衣を抱え男に背を向けた。 結衣に向かっていったナイフの刃は俺の左肩に刺さった。 痛くはなかった…頭に血がのぼって麻痺してたのか俺は振り返り その男に怒りをぶつけた。 鼻はひん曲がり、目は開いているのか 閉じているのか わからないほど腫れ 歯は三本折れて血だらけになぜ俺はこの男を殴っているのかわからなかった。自分が刺されたからなのか、結衣に刃物を向けたからなのか…俺は手を止め 結衣の方をみた。震えている。 俺は結衣の肩に触れた瞬間 ”ビクッ!” と大きく反応し 腰のぬけた身体を必死に引きずりながら 後退りをはじめた。 俺は 「…ごめん。」とだけ言い残し その場を離れた。 悲しくて 辛かった… そのとき やっと わかったんだ。 自分の気持ちが