パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~



~秘密の始まり~




「………ん」


奈桜は目が覚めそうになって、また自分で自分を夢の中へ誘う(いざなう)。
目覚ましは鳴ってないはず。
まだ寝られる。
例え、あと5分しか寝られないとしても、その5分が貴重。
この5分という時間は何倍もの輝きがある。
まだ寝られるという安心感と見ていた夢を思い出す時間。
布団の温もりに包まれて、夢とうつつを行き来する。
はずだった。


「梓?」


半分ほど開いた目で、いきなり飛び起きる。
ピョコッと右にはねた髪も、ファンが見たら『カワイイ!』と口を揃えるのだろう。
めくった布団から、細いのに筋肉質な体が現れた。
奈桜の『裸族』は変わってナイ。
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