パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「奈桜の共演NGリストに載ったんだよ」


神川の言葉がさとみに氷のトゲのように冷たく刺さる。
ひと突きにされたようで、さとみの心臓は破裂したように感じた。


「何で?……何で?何で?分からない。意味が分からない……」


がっくりと首をうなだれ、下を向いたさとみの目にみるみる涙が溢れて来る。


「ねぇ、どうしたらいいの?いつNGリストに載ったの?NGリストって……。そんな……。どうしよう。私、どうしたら……」


頭を抱えて崩れるように床にしゃがみ込む。
さっきまでの勢いはどこにもない。


「最近、派手に動いてたのが良くなかったんじゃないのかな?奈桜の事務所をナメちゃだめだよ」


口調は柔らかかったが、ある種、警告を含んでいる。
< 133 / 222 >

この作品をシェア

pagetop