パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「この世界を甘く見ない方がいい。個人で動いている訳じゃないんだ。タレントの後ろには必ず事務所がある。奈桜のような大物のアイドルになれば事務所の力も絶大だ。テレビ局も彼らの言う事は聞かざるを得ない。でないとタレントを出してもらえない。人気のある人間を使わないとテレビなんて観てはもらえない。オレたちは観てもらってなんぼ。奈桜のような国民的アイドルを抱えた事務所や人気のある俳優のいる事務所には共演NGリストなるものが存在する。まぁ、実際に書面がある訳じゃない。暗黙のルール的なものだ。事務所関係者にチラッと名前を出されたら終わりってコト。週刊誌に撮られたり、何か事務所の逆鱗に触れたりしたらアウト。……キミは逆鱗に触れたんだろな」
さとみの肩は小刻みに震え、嗚咽が漏れる。
「私、どうしたら……。奈桜さんに会う為に頑張って来たのに。こんなに好きなのに。好きなだけなのに。どうして」
絞り出した言葉が聞いていて苦しい。
ただ、好きなのはそうだろう。
でも、さとみはそれだけではない。
さとみの肩は小刻みに震え、嗚咽が漏れる。
「私、どうしたら……。奈桜さんに会う為に頑張って来たのに。こんなに好きなのに。好きなだけなのに。どうして」
絞り出した言葉が聞いていて苦しい。
ただ、好きなのはそうだろう。
でも、さとみはそれだけではない。