パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
ガックリと肩を落とした何も身に付けていない姿の今の奈桜に、国民的アイドルのオーラはない。
あの黄金のように眩しく光り輝くオーラはいつ発せられるのだろう。
カメラが向いた瞬間?
ファンを感じた瞬間?


「奈桜!」


『梓』と、安堵の声が奈桜の口から漏れた。
もしかして何かに巻き込まれたんじゃないかと不安がよぎり始めていた。
他の男と……とは思わなかった。
信用しているから。男だから。
梓だから。
いや……ほんのちょっと。
いや、やっぱりそっちは疑わなかった事にしておこうと自分の心に確認をとる。


「お帰り。泊まったの?」


出来るだけ平静を装って聞く。
が、声に少し嫌味が入った。
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