パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「いや、仕事は……入ってない」


まだ何か言いたそうな様子に、でも言いにくそうな感じを見て、心が話の矛先を変える。


「どこに行く?いつものとこにする?」


奏と碧も空気を読んで自然に奈桜と泉を話から外す。
Zのこの辺の空気の読み方は絶妙だ。
泉は奈桜の背中を軽く押して周りから少し離れた。
始まるまでにまだ少し時間がある。


「何かあった?」


「う……ん。ちょっと。いや、大丈夫だから。うん」


笑った顔が切ない。
何か隠してるのは確実だ。
どこまで聞いていいのか悩むところだが、奈桜と泉の仲。
そこら辺の感覚は分かっている。
もうひと押しまで。


「そっか。それならいいんだけどさ。話、聞くだけでも聞くよ」
< 148 / 222 >

この作品をシェア

pagetop