パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
奈桜はうつむき気味にため息をついた。


「梓が何かおかしいんだ」


「梓さんが?」


そりぁ、みんなでご飯どころではない。


「何?ケンカでもした?」


「いや、ケンカすら出来ない状態。たまにしか家に帰って来ないんだ。マネージャーのとこに泊まってばっかでさ。あ、それはほんとみたいなんだ。あ……たぶん。だけど」


家に帰って来ないと聞いて、泉は少し不安になる。
家には奈桜の娘の桜もいる。
放っておくなんておかしい。


「仕事が忙しいんじゃないのか?映画かなんかの撮影とか?」


奈桜に余計な心配をさせないように気を遣って話す。
気持ちを煽るような事はしたくない。
< 149 / 222 >

この作品をシェア

pagetop