パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
第9章 ピンクの羽が舞う


~人の心は難しい~


あれから。
梓はマネージャーの所に行くと言って出て行ってしまった。
一緒にいたとしても顔を突き合わせてギクシャクする方がいいのか、距離を置いて冷静に考えた方がいいのか。
梓は後者を選んだ。


「桜ちゃんは?何か言ってる?分かってるよね?二人がもめてる事」


奈桜の話を黙って聞いていた泉がタイミングを見計らって口を開く。
桜が満開の公園。
奈桜と泉の二人はバラエティーのロケの仕事を終え、そのままロケ場所近くの公園にいた。
『花見しようよ』と泉に誘われ、平日の昼間、男二人でベンチに並んで座る。
早朝からの仕事で眠気もあったが、何より桜の花の美しさに惹かれた。
まだ仕事が残っている為、しばらくすれば迎えの車が来る。
ひとときの休憩。
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