パパはアイドル♪vol.3～奈桜ｸﾝの呟き～

「そっか……」


どう言えばいいだろう。
自分は上手く行ったパターンだ。
言い方によっては悪く取られるかもしれない。
いや、そんな事はきっとどうでもいい。
奏の気持ちを楽にしたい。
それが一番。


「オレは幸せになれないのかな？好きになっても結ばれないのかな？」


「そんな事ない。奏だって幸せになれるよ。こんなにみんなを笑顔にしてるんだから。幸せになれない訳がない」


次の恋を勧めるほど奈桜もノーテンキではない。


「もう自信ないよ」


ポツリと言う横顔が切な過ぎて苦しくなる。
アイドルとは何かを犠牲にしなければならないのか。
違う。と言いたいが言えない。
きっと『恋愛』と『夢の実現』を引き換えにしている。


『アイドル』はファンのコたちの疑似恋愛の相手。
ファンのコに彼氏彼女が出来ることは構わないけれど、アイドルがそれをすることは許されないのだ。
たぶん。きっと。