パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「もしかして、いるの?そういう……人?」


遠回しに聞くつもりが結局、ストレートになってしまった。
奈桜は『聞くんじゃなかった』とすぐに後悔する。
こういう事は本人の言うタイミングってもんがある。


「うん。ずっと一緒にいたいなって思ってるコが。芸能界のコじゃないんだ」


以外とあっさり告白してくれたということは、聞いてくれるのを待っていたのだろう。
奈桜は内心ホッとする。


「一般人?」


「うん。普通のコ。付き合って半年でさ。あんまり会えてないけど、だからこそ想いは募るっていうの?奈桜なら分かるよね?オレさ、彼女を他のヤツに取られたくないんだ。誰にも取られたくない。オレだけのものにしたいんだ」


本気で好きなんだろう。
好きな人は自分だけのもの。
そして永遠にその笑顔も言葉も温もりも自分だけが触れられるもの。
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