パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~


「奈桜さん、」


マネージャーの石田が運転しながらバックミラー越しに奈桜を見る。


「ん?」


右に首を傾けて眠ってしまっていた奈桜は、少し体を反応させ目をつぶったまま返事する。


「梓さんの事なんですが。もしかして……オメデタですか?」


『ゴホッ』と奈桜が咳き込んだ。
とんでもなく慌てている。


「誰が?」


「だから梓さんが」


しばらく沈黙か流れる。


「そうなの?」


「は?」


奈桜のとぼけた返事に石田は呆れてため息をつく。


「アハハ。ないよ。ナイ。誰が言ったの?」


笑いながら窓の外を見る。
もし……そうだったら、嬉しいのに。
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