パパはアイドル♪vol.3~奈桜クンの呟き~
「へぇ~。それは一度、食べてみたいですねぇ。私、いい店、知ってますよ。良かったらいつでも紹介します。そこ、腕のいいパティシエを探してるんですよ」


それを聞いて、梓はまんざらでもなさそうな顔でシートに体を埋める。
表情が明るくなった事に青木はホッとしたが、今の梓の抱えている問題が分からない。
『親子関係は問題ナシ』
とすると夫婦関係?
青木は何かひらめいて小さく頷いた。


「ちゃんと肌のお手入れしてます?結婚すると、途端に手抜きになるって私の友達がこの間言ってたんですよぉ。梓さんはそのプルンプルンのお肌も魅力なんですから。手抜きしないで下さいよ。奈桜さんだけのお肌じゃないですよ」


バックミラーに目をやると、梓がクスッと笑っていた。
その少し照れたような笑顔がとても可愛らしく『恋愛物もまだまだイケる』と青木は確信した。
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