彼は、
そして、ドアを美音が開けた。


美音父「…そうだったのか……」


美「うん。だから、私には婚約者なんて必要ない。」


翔「えっ…?どういうこと?」


状況が読めない俺に、美音が微笑みながら話し始めた。


美「私が海外に連れて行かれそうになったのはね…お見合いで将来の旦那さんに会う予定だったからなんだ。」


唖然とする俺をよそに、美音は話し続ける。

美「翔也と付き合ってることを話してなくて、お父さんからの連絡を無視してたから…こんな形でここまで連れ去られたけど…」


翔「じゃあ、さっきキスしてって言ったのは…」


美「お父さんに証明したかったから。」


翔「…!?」


今の俺は、きっと顔が真っ赤だろう。


それを見透かしたかのように、美音のお父さんが口を開いた。
< 60 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop