#1のユニフォーム
「今日も練習でしょ?」
「うん。あーでも、今日は早く上がれる! なんか用事があるらしくて、キャプテンと監督がどっちも途中でいなくなるから」
「そうなんだ。うん、わかった。頑張ってね!」
「おう!」
八重歯を見せて、こんな寒さに負けないくらいのあったかい笑顔を残して、彼は重たそうなエナメルバッグを肩に、颯爽と廊下を走っていく。
「コラァァァアァ小崎ィ! 廊下は走るなと何度言ったらわかるんだァ!!?」
「うおっ! すんませーん!!」
そしていつも決まって、先生に怒られる。
それを軽く受け流して、彼はまた、懲りもせず走っていく。