#1のユニフォーム
周りにも何人か生徒がいてそれぞれ喋っているのに、私の耳は、大翔くんとサツキちゃんの会話しかキャッチしてくれない。
「前本屋行ったときに見つけてさ、これは絶対に大翔読むべきだって思った!」
「なんかすごい分厚いから、読むの大変そう」
「だーっ! そういう風に捉えちゃダメだって! あの本の中に、いいことたくさん書いてあるんだから! 読み始めたらあっという間だってば」
大翔くんとサツキちゃんの間には、今日も笑顔に溢れていて。