蝶々

「職員室ってここじゃないかしら?」

「そうだね。入ろっか」


先生の机まで行くと、大小のダンボールが計9つ



「あの先生、バカなのかしら」

「バカでしかないよね」


ダンボールいっぱいに詰められてるであろう教科書

小さいものでも侮ってはいけない


「男子が2つずつ持つから、舞蝶ちゃんは1番小さいの持って?」

「大丈夫よ。大きいの持つわ」

「かなり重いよ?」

「そんなの百もしょう……ちっ!うわぁ!」


勢いをつけて持ち上げるが、予想外の重さでダンボールはそのまま床へ

ドンッという音がしたのはきっと気のせい


指挟まなくてよかったわ…


「だから言ったのに……はい、舞蝶ちゃんはこれ持って」

「……はい」


落とした手前、大きいのもう1回持つという発言権はあたえてられているはずもなく、大人しく従うしか選択肢はなかった


< 11 / 12 >

この作品をシェア

pagetop