ナンパ男がしつこい件について
「…太った?」
お腹と太ももを見て思う。
くびれもそこまでない。
小さい頃から見ていた大人とは随分違って、色々と自分の部分が嫌いだ。
ジャージに着替えると、電話が鳴った。
「もしもし」
画面も見ないで電話に出ると
『唯花ちゃん、明日遊ぼ?』
…彼女のスカートの中を覗き見る変態かよ。
「明日学校ある」
『終わってから~』
めんどくさい。
「やだよ。カレカノじゃあるまい」
『カレカノじゃん』
…そうだっけ?
「明日っていきなりすぎない?」
『スイーツ食べに行こうよ』
「あんたと食べに行ったことしか記憶にないんだけどさ」
『唯花が食べるの好きだからでしょ?』
毎回毎回、釣られてるよなあ…
せっかくだし付き合うか。
「…………うん」
『じゃね』
プツっと切られる電話。