ナンパ男がしつこい件について
どうすることもできなくて、
何をすることが正解かもわからなくて、
戸惑っていた。
「………ごめん」
その、信じられない言葉を聞くまで。
「俺、言い過ぎた」
「あ、え」
少し反省するような顔をすると、
「俺の名前、片桐優雅(カタギリ ユウガ)」
突然自己紹介されると、手を差し出される。
おそるおそる握ると、
「今日は自己紹介したかっただけだから」
そう言って金髪ホスト…じゃなくて 片桐優雅は去っていった。
「椋太郎、あとはお前が頑張れ」
そう言い残して。
「あのさ、こんな空気だしやっぱり今日は無し…」
「やだ」