ナンパ男がしつこい件について





「え?」



何か問題でもあった?と言わんばかりの表情。



「あの白いでかいやつ、俺の」




指を指されている方向に目線を向けると、お高い車が居座っている。




ピッ、という音がしたら「助手席乗って」と言われた。



無言で扉を開けて座る。



今さらながら、年上ということに戸惑っているあたしがいる。




椋太郎は後ろの扉を開けて何かを取ると、運転席に座った。




「行くよ」



鍵をさすとエンジンが鳴って、車をまったくわからないあたしでさえも、なんだか心地が良い。




「うん」



そう答えると、少しだけ椋太郎は笑ってハンドルを動かし始めた。



「テレビ見る?」



「うん」




なんか、心臓が、、、、




うるさいんだが。




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