ナンパ男がしつこい件について





「ねえ、手…」



「やだ」



…さっきとは違う「やだ」ですか。



にっこりスマイルでこっちを見てくる。




「片手で食べれるでしょ?パフェだし」




「そんな無茶な…」




椋太郎は手を握ったまま座る。



腕が引っ張られて痛くなってきたのか仕方なくそのまま座った。




「どのパフェがいいの?」




「俺は苺よりチョコの方が好きだったよ」




…何回わざわざ行ってるんだ…?




「じゃ、じゃあチョコにする」




頷いてウエイトレスを呼ぶ。




「チョコのパフェひとつ」




「はいかしこまりました」



そして店員が去った瞬間ぎゅうっと手を握る力が強くなった。





「ちょ…いきなり何」




「手、あったかい」




それずっと言ってるし…






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