ナンパ男がしつこい件について
「噂の華和からメールだった」
そう言いながら携帯しまう。
「へえ」
で、出た『へえ』!!!
こういうときは大抵話を聞いていないような気が…
ついに椋太郎まで携帯をいじり始めやがった…
少しふてくされてあたしはパフェを食べ終わる。
「ごちそうさま」
スプーンを置いてそう言うと、
「行くか」
と言って席を立つ。
どこ行くんだか…
思いつつ着いていった。
そう言えば。
自然と離してしまった手に目が行く。
レジをすませる椋太郎の左手を弱々しく握ってみた。
手はひんやりと冷たい。
「ありがと」
なんて言うと「おう」と返ってきた。