ナンパ男がしつこい件について
「車乗って」
「うん」
扉を開けて、助手席へと座ろうと…
したのに。
後ろからぐいっと引っ張られる。
声も出ないまま後ろの座席へと連れてこられた。
「な、何…」
「………」
無言で、おでこにキスしてきやがった…
「っては?え?ちょ、椋太郎…」
「ん」
そしてそのままぎゅーとしてくる。
「今からどこ行く?」
耳元で囁く。
くすぐったすぎて椋太郎の背中を掴む。
「くすぐった…」
「こう?」
耳を薄く甘噛みしてきた。
ピリッと電流が走った。
「かわい」
クスッと笑う椋太郎。
「ちょ…」
「?」
「調子乗るな変態ぃ…」
余裕の笑みを浮かべるやつを睨んだ。