ナンパ男がしつこい件について
「椋太郎が華和に会いたいって。女子高生と遊びたいだけだよ」
適当に返すと、
「唯花ちゃんって嫉妬しないの?」
と聞かれた。
嫉妬…?
「どこで嫉妬するんですか?」
「え、華和と会いたいって時点でもう嫉妬すべきっていうか」
確かにそう言われてみると
そう、だ。
「ま、唯花はばかだから」
ニヤニヤしながら言う。
そうだけど…
もうそれはいいですよ…
「お待たせ」
呆然としてると戻ってくる椋太郎。
「お、帰ってきた」
「おかえり」
宏哉さんと目を合わせてクスッと笑う。
「……あー…俺、帰るわ。上司から呼ばれてさ」
「え、今から?」
「うん」
何にもないような顔で返す。