ナンパ男がしつこい件について
確かに無駄に車がでかいし、
言えばつれていってくれそうだけどさ…
「あー、やっぱりだめだ、車あと1台くらいないー?」
うちの学校は校則的に車校はダメだから誰も車を運転できない。
「ほら、唯花」
「…えええ…」
でも、みんなで思い出作りたいし…
「ちょっと電話してくる」
教室のドアを開けて携帯をポッケから出した。
椋太郎、と登録してある電話番号にかける。
『唯花ちゃんどした?学校で寂しかった?』
「うざい死ね。」
『彼氏になんて言葉遣いよまったく唯花はそれしか言えないのかなー?一応お仕事中なんですけど』
うっざー
「あのさ、今度クラスのみんなでバーベキュー行くことになったんだけど、車が足りなくてさ、椋太郎に運転してもらいたくて」
『なんだなんだ、電話かけてきてくれたかと思ったら俺はパシリね』
…………こいつ、こんな奴だっけ?
「あーじゃあいいよ。他の男友達に頼むから」
『は?唯花にそんな奴いないでしょ?』
はい、実際いないです。
「あたしの友達ろくに把握もしてないくせによく言えるね?」