ナンパ男がしつこい件について
「よっこらせ」
あたしと同じ高さにしゃがむ。
「座り方おっさん」
「うるせ」
クスクス笑うと、
肩を掴まれる。
「ん…」
みんなが戻ってきたらどうしよう。
…ま、いっか。
キスをしながら笑うと、椋太郎も笑った。
「椋太郎の鼻、たまにぶつかる」
「どうしろって言うの。鼻無くせって?」
「んー、今はなんでもいいや」
椋太郎は急に顔をしかめた。
「…腹へった」
「だったら椋太郎も来なよ。」
「はいよ」
二人で立ち上がって、自然と手を繋いだ。
「良い匂いするわ」
「みんなまだ肉食べてるし」
あたしたちに気づくと、みんなニヤニヤする。
「あーあたしも彼氏作る!」
「大学入ったら絶対あんたらよりラブラブになるんだからぁ!」
と言いつつ指をさされた。
「はいはい、いいから肉ちょうだい」