ナンパ男がしつこい件について
放課後、やっと熱がおさまった学校。
あたしは、急いで階段をかけ下りる。
ローファーにはきかえて学校を出た。
駅の真ん前で待っている椋太郎に向かって突進するかのように抱きついた。
「推薦!貰えた!!!やったよ椋太郎!!!」
「おめでとう」
髪の毛がグシャグシャになるように強く撫でられた。
「ていうか推薦貰えたのですごい騒いだんだ」
「いや…まあそんな難しくないことかもしれないけど、みんなで騒いでみんなで落ち込んでっていうのがうちの学校の伝統だから」
普段から叫ぶのは変わらないけど。
「頑張れよ、試験」
「うん!」
椋太郎も笑顔になる。
「じゃ、今日はケーキ奢るか」
「また食べ物かい!」