ナンパ男がしつこい件について
次の日の帰りの電車で倍率が出るので、スマホで見てる。
「うわあ…」
倍率は他の学校の比にならない。
「やっぱ人気なんだよな」
目を細める。
「どうだった?」
椋太郎がスマホを覗き混む。
「毎年何百人単位で落ちるんだっけ?」
「…うん」
去年より募集定員は少ないのに、志願者は多い。
「ていうかこの学校相当人気だね」
静かに頷く。
「めっちゃ緊張してるじゃん」
こっちを見て笑う。
「黙れ黙れ!こっちは必死だってのに!」
「わかってるけどさ、いつもとはえらい違いだなって」
いつまで笑ってるんだこの野郎。