ナンパ男がしつこい件について





「ていうかクッション邪魔」



と言うと、抱き締めていたクッションを奪取って放り投げた。




「ちょっバカ」



あたしの耳を甘噛みする。



「唯花にこういうことできるのも、俺だけ?」




囁くように低い声で言った。




動きを止める。



一息おいて、「うん」と呟くように言った。




「かわいいな、ほんと」





はにかんでキスをする。




何度も何度も角度を変えてきて、完全に椋太郎に体を預けた時、




椋太郎の携帯が鳴った。




「いいよ、出て」



椋太郎はチラッと携帯をみて「仕事に関係ないからいい」そう言ってもう一度目を閉じる。








< 217 / 468 >

この作品をシェア

pagetop