ナンパ男がしつこい件について
「ていうかクッション邪魔」
と言うと、抱き締めていたクッションを奪取って放り投げた。
「ちょっバカ」
あたしの耳を甘噛みする。
「唯花にこういうことできるのも、俺だけ?」
囁くように低い声で言った。
動きを止める。
一息おいて、「うん」と呟くように言った。
「かわいいな、ほんと」
はにかんでキスをする。
何度も何度も角度を変えてきて、完全に椋太郎に体を預けた時、
椋太郎の携帯が鳴った。
「いいよ、出て」
椋太郎はチラッと携帯をみて「仕事に関係ないからいい」そう言ってもう一度目を閉じる。