ナンパ男がしつこい件について




「俺、嫌だから」



ものすごい視線を感じる。



「絶対嫌だから。他の男と二人っきりなんて」




あたしは目を見開いた。




「唯花はいいの?俺が二人っきりで胸がでかいお姉ちゃんとごはん行くの」




その言葉を聞いて顔をしかめる。



そんなの、何回体験したんだろう。



椋太郎が言っているような胸がでかいお姉ちゃんとかではないけど。




もうそんな想いは散々だ。



「嫌に決まってるじゃん」




「…………」




椋太郎と目が合う。




「ぷっ…」



椋太郎の顔を見て笑ってしまった。



「人の顔を見て笑うな」




「ごめんごめん、でも想像よりも椋太郎が必死な顔してて嬉しかった」






< 221 / 468 >

この作品をシェア

pagetop