ナンパ男がしつこい件について





「ごめん」



……正直嬉しかった。



こんな風に思ってくれていて。



すごく。



「よし!」



椋太郎はあたしが出したその急な声に驚いたように顔をあげた。




「今日は学校さぼる!遊ぶ!」




「俺も会社さぼろっかな」



二人で顔を合わせてニィっと笑う。




「どこ行く?」



「んー…動物園?」



「動物園とか…鳥とか牛とか豚とか見たいの?」



椋太郎の頭を思いっきり鞄で叩いた。




「誰がセルフ狩りしに行くか!」



「はいはいナイス突っ込み」





< 230 / 468 >

この作品をシェア

pagetop