ナンパ男がしつこい件について
「ごめん」
……正直嬉しかった。
こんな風に思ってくれていて。
すごく。
「よし!」
椋太郎はあたしが出したその急な声に驚いたように顔をあげた。
「今日は学校さぼる!遊ぶ!」
「俺も会社さぼろっかな」
二人で顔を合わせてニィっと笑う。
「どこ行く?」
「んー…動物園?」
「動物園とか…鳥とか牛とか豚とか見たいの?」
椋太郎の頭を思いっきり鞄で叩いた。
「誰がセルフ狩りしに行くか!」
「はいはいナイス突っ込み」