ナンパ男がしつこい件について
じっとこっちを見てくる。
「………」
「そのこっちを見てくるのやめてよ、気持ち悪い」
眉を潜めた。
「やっぱまだ酔ってるわ俺」
そう言うと、あたしを床に座らせる。
自分も屈むと、あたしの横に左手を置いて身を乗り出した。
右手は太ももに置かれる。
「変態、離れろ。酒臭い」
「やだ」
そして右手の人差し指でなぞった。
「ひっ」
「朝、どこ触られたの?」
朝…痴漢に。
「な、なんでそんな」
「あんなおっさんに触られた状態でいいの?」
「それは嫌だけど…別にあんたが触らなくていいだろバカ」
「はあ?目つぶって」
信じられない、と言いたそうな顔。
ゆっくりと目を閉じた。