ナンパ男がしつこい件について
「にしても三年通っててよくもまあナンパされたもんだね」
「うるさいー」
むっとする。
「だって今日はさすがにいないでしょ?」
なんて言われて頷く。
駅の方を見てもいない。
「よかった」
「何が」
「なんかひっかかってたから…」
ん?
そっと振りむいてみる。
『何が』の声が朝とテジャヴしたから。
そこには案の定、いた。
どこぞのナンパ男が。
「どこから来たの…」
「駅の中に入ってただけだったんですけど」
「………帰るよ、唯花」
「ちょ、ストーカーとかじゃないから!まじで!」
必死に誤解を解きたがるナンパ男くん。