ナンパ男がしつこい件について
「彼女にどんな話してるんだ」
あきれぎみでファンタを開ける。
「メアド交換しちゃった~」
取り敢えず足を踏んでおく。
「いってー」
「ったく…」
こいつの常識はずれっぷりは半端じゃないな
「唯花妬いた?」
「慣れたっつーの。華和の連絡先交換してるとこあたりから」
こういうときの炭酸飲料は眠気覚ましにもなって便利だ。
全然関係ないことを考えながら答える。
椋太郎はあたりの隣に「どっこらしょ」と言いながら腰かけた。
「黙って座れないの?」
「唯花といると落ち着くからさ、ついつい言っちゃうんだよね」
ダラダラしはじめる椋太郎。
「椋太郎、彼女の学校の文化祭でダラダラしないでくれ」
「え~、ちょっとだけ」
肩に顎を乗せてきた。
椋太郎の髪の毛が頬に触れてくすぐったい。
「髪の毛くすぐったい」
そんなことを言っても何も返さなかった。