ナンパ男がしつこい件について
今日は少し髪の毛を盛ってるので邪魔くさい。
「唯花ちゃん」
「ん?」
「今度さ、水族館行かない?」
水族館?
「いいけど…?」
「やった、前友達と行ったんだけどすげえ見せたいものがあってさ」
やばい、このトーンは椋太郎が寝てしまうパターンだ。
「わかった!合格したら行こ」
そう言うと満足そうに笑う椋太郎。
「だから寝ないでね、こんな所で」
「さすがにそんなことしないよ」
仕事で疲れてる?
休み取った分昨日頑張ったのかな
「お疲れさま」
そう言うと、椋太郎はあたしの頭を撫でる。
「唯花のお疲れさま、めっちゃ好き」
癒される、と付け足した。
「それ毎日言ってくれない?」
「それは………やだ」
「なんで?」
「恥ずかしいじゃん、」
ふてくされるように下を向くと、
「そういうのが反則なんだよなあ」
苦笑い混じりにそう呟く。