ナンパ男がしつこい件について
「昨日のことちゃんと謝ってなかったから、それだけ」
必死で言う。
「でも昨日ケーキ奢ってもらったし、別にもう…」
それでも食い下がる。
「いや、でも態度も必要かなって」
「何が目的なの、本当に」
少しだけ躊躇うナンパ男。
「連絡先教えてよ」
「………やだ」
ナンパ男のポカンと口があく。
「なんで」
「きもいから」
「でも君はかわい「そういうのがきもいから」
そっかぁ、と冷静に呟く。
「でもさぁー、俺気に入ったしさ、付き合いたいじゃん」
単刀直入に言うと、自分の耳を疑った。
「ばーか」
それだけ言って改札を通る。
華和も何も言わずついてきた。