ナンパ男がしつこい件について




「ごめん、待っててくれてありがと」



椋太郎に先に帰っていいよ、と言ったのに学校の前で待っていてくれた。



「暗いし今日は車で来たから送ってけれると思ってさ」



椋太郎はそう言うとあたしの方に手を伸ばす。





「帰ろ?」



あたしは頷きながら手を握った。



車は学校の近くの駐車場に置いてあるらしく、普段とは違う道を歩く。




「ちょっと肌寒くなってきたね」



「そうだな、風邪引かないようにしろよ?」




「お、おう」



突然のそんな言葉に声をうわずらせながら頷いた。



「ほら、乗って」



椋太郎は助手席のドアを開けてくれる。




「ありがと」



そう言って乗り込むとドアを閉めた。




椋太郎も運転席に乗って、すぐに車を動かし始めた。




運転してすぐ椋太郎は




「あの雑誌の俺見てどう思った?」




唐突にそう聞いてきた。




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