ナンパ男がしつこい件について
1日目はホテルでゆっくりして豪華な夕飯を食べるだけなので楽だ。
ベッドにダイブする。
今度、こういうところに椋太郎と行けたらいいなあ。
「今郁村椋太郎とこういうとこ行きたいって思ったでしょ」
華和は見透かしたように荷物を整理している。
「なんでわかる」
「表情見てればわかるよ。あんたあいつのこと自分が思ってるより惚れてるよ」
こっちも見ないでズバズバ言っていく。
「そんなの…、わかんないよ」
「周りには見え見えなんです」
Tシャツを畳みながら言われた。
『気を付けてね』
メールの文字を見つめた。
「…確かにそうかも。ってか宏哉さんにメールいいの?」
「宏哉はいいよ、大して寂しがらないし」
えー、と声を出す。
ラブラブな癖に、こういうところだけ大人だから。