ナンパ男がしつこい件について
後ろから椋太郎の腕が伸ばされる。
おなかをぎゅっと抱き締めると、
「素直にならないと…もう1個増やすよ?キスマーク」
その耳元でささやく声に顔は真っ赤になった。
「やだ…」
「何が?」
「き、キスマーク…」
恥ずかしいし隠すの大変そうだし…
「じゃあ素直に好きって言ったら?」
首もとを舐めて噛むの繰り返し。
「くすぐったいの苦手なんだってば…」
「じゃあ携帯小説なんて落とし穴作るな。」
そんな無茶な、という返答はできなかった。
「かわいい」
こっちを見て囁いてきた。
耳が赤くなってしまう。
「キスマーク絶対しないで」
震え声気味で言うと「わかったよ」という声が聞こえた。