ナンパ男がしつこい件について




「なんか冷蔵庫みたいに冷たい」



「冷え性だって言ってるだろ」



さっきよりも少し優しめになったキス。



あたしの手を握りながら、ちょっとずつ角度をつけていく。




されるがままに目を閉じていた。




気づけば指が絡まって恋人繋ぎになっている。





こういうキスのほうがあたしは好きだな。




なんて思い笑った。




「ねえ椋太郎」



「ん?」



「…好き?」




この温かい気持ちに触れていたくてそんな風に言った。




椋太郎は少し驚いた顔を見せて




「急にどうしたの?」



「いや、別に理由はないんだけどさ」





< 355 / 468 >

この作品をシェア

pagetop