ナンパ男がしつこい件について
学校が終わって、すぐに駅前に向かうと椋太郎の車を見つけた。
「お、来た」
「今日ここ行きたい」
スマホを見せて椋太郎は「いいよ」
と言ってくれる。
よっしゃ!
心のなかでガッツポーズをした。
「?今日はなんか元気だね」
「まっまあね!」
椋太郎は少し不思議そうにしていたけど、
すぐに車が動き出して特に気にしていないようだった。
計画通りすぎて嬉しい。
「窓開けてい?」
「いいよー」
椋太郎は窓を全開にしてそこに肩肘を預ける。
少しだけタバコの匂いがした気がした。
「椋太郎タバコ吸った?」
「いや?俺もその周りもほぼタバコ吸わないけど…?」