ナンパ男がしつこい件について
「ねえ、そろそろ笑い終わって」
「笑い終わるって日本語おかしくね…?」
笑い過ぎて出た涙を少し拭きながら言う。
「ほんとにふざけんなよ、この野郎」
「はーあ。ケーキうまかったし、面白かったし、満足満足」
本当こいつ…
「さ、帰るか」
「そうだね」
立ち上がって「今日は割り勘ね」と言った。
「え、いいよ。俺全部出せるし…」
いいの、今日はお金持ってきたから。そう言うと椋太郎は頷く。
「本当、最近唯花に負けてばっかだな」
「ほんとに?やった!」
「調子に乗んなよ?」
飛び上がっているあたしに飛び付く椋太郎。
「うおあ!?」
「声どうした」
楽しそうにこっちを見る。
あたしもふふっと笑った。