ナンパ男がしつこい件について
心臓が鳴り止まない。
息をゆっくりと吸う。
「着いたよ」
ゆっくりと吐いて頷く。
「終わってここにいるときには多分もう俺いるから。」
それに頷いて外に出ようとする。
のに、腕を引っ張られて
キスをした。
それは一秒、二秒のことだったけれど、
あたしは驚いたように椋太郎の顔を見る。
「頑張れよ、精一杯」
「頑張る!」
そう大きく言って車から出た。
「さ、寒い…」
腕を組んでガタガタ震えながら歩いている。
急いで会場内に入って書類を出していく。
いよいよかあ。